手合わせ

この俺を一瞬でも止めたのだからな、と言葉を続けた。
「…約束通りだ、形ばかりとは言うがお前の言うことを聞いてやる。協力してやる。」膝から崩れ落ちてるトランクスに手を差し出した。トランクスは戸惑いながらも彼の手を掴み立ち上がる。
「助かります…」この男の手を握ってもわかる、あのように話しているがてんで本気を出していないことが。
「あの斬撃、お前だからこそ出せれた技だと思うぞ。これからも磨いていけ。」おいナエ、とカリグラは声をかける。
「なんでしょうか。」
「…未だに食ってるのか、風呂あるか?。入りたい。」
「…はぁ、家にありますが。」相も変わらずのノリだな、と思いつつナエは答える。
「なら入る、…っと忘れてたな。」カリグラはトランクスに向き直る。
「"治れ"」人差し指をトランクスの腹に触れるようにして、治癒をした。
傷はまるで仙豆を食べた時かのように治癒されて痛みが引いている。
「ふだんはせんがな、褒美だ。サイヤ人の血のおかげで戦闘力も上がってると思うぞ。ナエ、早くお前の家案内しろ」先に彼ら二人は部屋から出ていった。
「あっ、ありがとうございます!。」トランクスはこの瞬間初めて理解した。あの、カリグラを慕う人達の気持ちが。
「(上手くアメとムチ使い分けてるし、くれるものはくれるからなんだ)…しかも強い。」自分はほんとにかなわなかった、あの手合わせもまるで指導碁のようだった。
「…オレも、彼みたいに強くなりたい…」ぽつり、とつぶやいた。
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