常識というものであの男を推し測ろうとしても無駄だ、そのうち追いつかれてしまう。最悪だ…時の界王神から王手を打たれるなんて、だがなぜ。
カリグラはあの界王神たちを嫌っていたはずだろう？、そうか皇嵐か。皇嵐の存在があの男を縛っているのだ。
「（ならばこちらも！？、…むりよ！さすがにっあの男が敵だなんて…！！。やれることをやってじゃないと！）」こちらもあの方を使うか？、いやそんなことすれば黒王の怒りも買ってしまう。
…どうにか、そうだ。あの男のそばにいるラディッツを利用するか。あれは欠片があれど魔術への適応能力も高い。
「トワ……？」
「1度、魔界に戻るわよっ。エネルギーを集める手を改めて考えなきゃ……あの男が復活したのだから」ミラからの掛け声にトワはそう答えて、ワープの魔法陣を出して帰る。覚悟していたこと、そして直接会ったことによってひりりと首が痛む。
もとより命をかけているつもりではあった、だがそれは悟空たちに対してのものであり絶対的な死に対してではない。
ミラはふらふらとするトワに何故に、と疑問に思いながらも先程までいた絶対的な死の存在の男のことを思い出す。強かった、あっさり自分は取り押さえられ死の錯覚を何度も見た。
「…あれが、最強……」孫悟空たちとは違う、むしろ我々魔界の住人たちに近い存在。たった一瞬見られただけで身がすくんだ。初めて本能、というものから逃げろとアラームが鳴り響いた。
動けなかった、攻撃しても取り押さえられカウンターを返された。あれが……あれが、最強。目指すべき力。ぞくりと武者震いなのか身震いしてしまう。
「……（もし、また会えるなら…）」彼の力の真髄をみてみたい。トワから怒られるかもしれないが人形は初めてここで化け物に魅了された。