戦闘/嫉妬

速さ、腕力……それらに全てを込める神の血と闘神を祖にもつサイヤ人の血だからなるものか。はては──最強にして世界の破滅たる存在の大魔王を前世に持つ父の因果がもたらしたものか。
それこそ神のみぞ知る、というものである。髪が星々の煌めきを宿す理由はラディに力を送るためである。女の命、とも呼ばれるものだからであろう。
とにかくラディにも未だ分からない、カリグラであれば知っているだろうが…この力は自分でわかりたいものだ。
「なるほど、だから私も知らないというわけか…」
「ええ、細胞という記憶から見てもあなたは知らないでしょう?。……さあ、やり合いましょうか」あなたにわからせてあげますよ、とラディは小さくだが確かにセルに聞こえるように告げる。
「サイヤ人の……いいえ、親を奪われた子供の力というものをね」何を言っているんだ、とセルが思った時には目前にラディがいてこれでもかという程に顔に拳がめり込む。
グチャグチャに何かが割れた音と首があらぬ方向へと向きそうになりセルはどうにか耐えるがまたその瞬間ラディが消えて 次だと右腹部に拳が飛んできて吹っ飛ぶ。
「っ!?おのれぇぇれ!!」こちらもだとセルは瞬時に周辺から無数の気弾をだしてラディへとぶつける。相手は耐えていたらしく、また埃を振り払う。
その時だ、セルの細胞の記憶からある記憶がよぎったのは。
「…はっ…この程度ですか、つまらない(くだらん技だな…ただ埃をまきあげるだけか)」
「…っっ……!!?」その冷たい瞳、そしてバカにしたような笑い方あのときピッコロがみたラディッツという存在と酷似していた。
何を言う、あの男の戦闘力なんぞ自分には到底及ばないのに…だが目の前の娘にはあのときのピッコロと同じような恐怖を感じてしまっている。
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