なんだ！なんなんだ！！これは、白い炎が自分の顔を焼く。
横に激しく首を振りどうにか火を消して相手を見るとラディが冷たくスカウター越しに自分を見てきていた。
「……第2形態、たしかに力は強いです」
「この時空のお父さんの細胞も食べてるなら…強いかなと期待しましたけど期待損でした。用はないからおわりましょうか？」
「ちくしょう！ちくしょぉ"ぉ"ううう！！！！！」知ったことかとセルは怒りのまま力を込めて彼女を殴ろうと大振りに拳を動かすが掴まれてぶんっと空中に投げられる。
「サイヤ人を、舐めるなッッッ！！！！！」鷹のように高く舞いどうにか空中で一時停止をしようとする自分にラディは突き刺さんと拳を突き出して貫いて言った。
雷撃によって壊れた機械のような音が辺り一帯に響き、爆発音がワンテンポ遅れて鳴り響く。
セルは見るも哀れな姿で地表におちてラディはその上から見下ろした。
「……ごみめ」
『あっ、あの女まじでセル倒したぞ！』
『……本当に、圧勝してしまいましたね…！』
「まぁこれくらいは今からそちらに戻ります…！？」
「きゃあああ！！！」トランクスが帰るようにと開けた穴に入ろうとした時だ、女性の慟哭が聞こえてきたのは。
ラディは少し聞き覚えのある声だと聞こえた方向を見れば、セルが吸入器官で女性を吸い取っていたのだ。あのスカートと揺れる栗毛……ラディが助けた民間人のひとりで自分のことを心配してくれた人だ。袖振り合うも多生の縁、ラディは危ないと助けようとするが時すでに遅くセルの姿が一気に変わる。
先程までの怪物のような姿から一転、今その場にあるのは……スマートで見るものからすればイケメンと呼ばれるような容姿をした姿だ。