愛しき女の娘

そう語るカリグラの顔がどこか達観しているようで、でもなにか考えてるような色をしていた。
王だからこそ物思うところがあったりしたのだろう、ラディッツはこうやって戦闘や戦いをみながらカリグラと話している時に常々思ってしまうのだ。
「…(カリグラは、本当にオレより遥かに長く生きてるんだ)」悠久とも言われるような日々を、1度死んでるとはいえ形としては封印でカリグラは長い時を自分とは違う空間で世界で生きてきたのだ。そこらの戦士では発狂してしまうほどの時を…、セルのことを叡智の結晶のように話すカリグラは正に王ではあるが同時に人ならざるものだと感じる。
自分はそんなこと言えない、人目線としても何故こんなものが??としか思えないから。厄介な敵、ラディッツにとって今見ているセルはただそれでしかないのだ。
「……ラディ、大丈夫か?」今はそれしか言えない、なにか起きなければいいがと。このタイムパトローラーと呼ばれる仕事は、トラブルしか今のところ起きたことがないのだ。
はらはらと焦りの気持ちが出る、ラディが大丈夫なのかと。
「全く、母親のように心配するなお前は」
「なっ!?、それはラディがっ…可愛いやつだからな!!!」
「…そうか、まっ確かに可愛い娘だがここから見ものだとおもうが」
──
ガラガラと建物が崩れ、瓦礫の音が響く。ラディはセルを待っている間周辺の地域を見回していた、セルが隠れそうなところや他にも被害を受けていないところがないかときになってだ。
見たところ荒廃しており、自分が来る前にセルが壊したであろう建物が多い。なかには住人が瓦礫に潰されており、悲鳴をあげていて助けたりもした。
「…全く、助けれる人もいないのかなここ」
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