愛しき女の娘

彼の中ではなにか、ラディに強く感じるものがあるせいなのかとおもう。それこそ自分に抱いてる親愛とはどこか違う形だと思っている、カリグラはラディに特別な感情を抱いていないかと。
「(女のことだろうか)」それしかないとも言えるが、本人に聞けば?と思いもするが聞こうとする勇気が自分にはない。
その事実を知れば発狂して、彼氏に振られた重い愛をもつ彼女なみに暴れそうな気がしているから。ぎゅっと腕を握りしめてラディッツはもう一度カリグラのかおをみつめる。やはりどこか愛おしそうなだが悲しそうな顔をしていた。何をそんなにおもっているのだろう、そして何に思いを馳せているのだろう。聞きたくても上手く言葉が出てこず聞けずじまいだ。
「…なっ、なぁカリグラ。改めて聞くがあのセルってやつはなんだ?人造人間とか話をしていたが……」色々とぐるぐる考えても仕方ない、ラディッツは改めてという体で話を聞いた。セル、と呼ばれる存在自分は17号と18号と呼ばれる体力無尽蔵ではないかという人型の人造人間と戦ったことはあるがこのセルと呼ばれるものは姿かたちも違う。
「俺も詳しくは知らん、…トランクスが言うにはとある天才科学者が作ったものらしいが」
「……地球の技術はすごいな」変身モードをもつ人造人間、己が遠征に行った先では姿を変えるものたちもいたし人造人間もあったりしたがここまでの技術を持つものたちはそうそういなかった。
なのにこの辺鄙な星とよばれた地球には、人類の叡智を集めたような技術が集中してある。何故こんなものが、フリーザの支配した星ではなくこの目をつけられることもなかった星に集まるのであろうか。
「そうだな…、執念の塊のようにも思うがな」
「…平和にあれたからこそ磨き抜けれた技もあるのだろう」
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