時のほころび/挑発

なるべく広々と隠れるところが少ない所へと大道路へと移動する、ここならば現れて近くに来ても自分がどうにか対応できる範囲内だ。
ひろびろとした分暴れやすい、警戒してどこから来ても対応できるようにしなくては──そう思っていたところ気功波がとんでくる。
ラディはそれを瞬時に避けて、放たれた方向へとその赤い瞳を向けた。
「お前かァァァ…!私の食事の邪魔をするのはッッ!!」緑の異形の化け物……いや人造人間と呼ばれるものか、セミのような口と姿をしたもの……セルがいた。細く、どこか不気味な姿をしている。これがもしや第1形態と呼ばれるものであろうか?。
『っスカウターに反応がなかった…!?』
「だと思ったよ、ここのひずみからじゃ……何が起きても仕方ないと考えていたけど」このセルと言うやつからは不気味なオーラが出ている、そのトワと呼ばれるものたちが起こしていることに起因してるであろうか?。力としては大したことはないかもしれない、だが言葉にできない不気味さがあり足元からぞくりとしてくる。
ラディは身構えて、セルを睨みつける。このセルと呼ばれるものは様々な強者の細胞が入っているとトランクスやウーロンが説明して教えてくれた。おそらくその中には…己の父親ではなくともラディッツのまである。
それならば……、一族のものとして抹殺しなくてはならないと。
「んぅ~……?何かと思えばァサイヤ人か」
「知っておいていただけるとは……光栄ですね」
「サイヤ人に女の生き残りがいたとは聞いたことがない…おかしい、トランクスの親戚か?」
「違いますよ…でも関係ないでしょ、あなたはこれから……壊されるのですから」セルが何かを言う前にラディは姿勢を屈めて飛びつき腹部に肘打ちをくらわせる。
5/10ページ
スキ