時のほころび/挑発

「時の綻び、ねぇ……」ウーロンたちからの依頼によりラディはある時の綻びにきた、ぱっと見た感じ分からないが母親譲りの生命のゆらめきが見える力というかそういうものでこの場所が
"異常な場所"、ということがよくわかる。見た目はただの地球の繁華街なのに人の気配がほとんどないのだ。
もっとこう、騒がしくてもいいのに何故こんなにもないのか。
「ねえトランクス…、ここはほんとに街なの?。人の気配が少ないというか……薄いんだけど」
『はい、そこが西の都なのは間違いなんですよ…。ですが……っ、人造人間特にセルというものが現れてから人々がセルに吸収されていって少なくなってきたのです』
「セル…?」
『レッドリボン軍が作った…最強の人造人間です、色々な細胞を取り入れられて作られたものでッ……人造人間17号と18号を取り入れたら完全体になるという…』
「進化系アンドロイドみたいなものなのかな」なかなかに作り込まれているようだ、そのレッドリボン軍というのは自分と同じく孫悟空…カカロットに相当な恨みを抱いて動いてきているようだ。
ドクターゲロという天才的な学者がその人造人間たちを作ったようだが、かなりの精力を注いで作ったことであろう。
かわいた風が自分の間を通っていく、そしてどこか血なまぐさい匂いもしてくる……。
「ねえ、そのセルって奴は最後誰が倒したの…?」
『えっ』トランクスは未だラディにセルが倒されたことを話していないのに、突然の質問にしかも倒された前提で聞いてくることに驚いてしまう。
「…誰なの」その言葉を吐くラディの言葉穏やかさから一転して氷の姫のような冷たさを持つ。
トランクスは固唾を飲み込み、質問に答えた。
「……孫、悟飯さんです。悟空さんの息子の」
1/10ページ
スキ