「無理しないでよ、取り繕わないで……。私は別にお姉ちゃんがここを破壊したいなら止めたりはしないよ」ぐいっ、とラディの顔を自分にちかづけてリンは真剣な瞳で話してくる。
その目は鋭く覚悟の光を宿していて、あなたとなら罪を背負っていいと意思を伝えてきていた。リンはいつもそうだ…、父ラディッツが母にしていたように何もかもを共に全て背負う覚悟を持っていた。好きだから、何よりも誰よりも愛しているからと。
リンは父のことを嫌っていたが、父の仇をうちたいという自身の気持ちを尊重しこのように来てくれたのだ。本来彼女は嫌なはずなのに。
「…リン、ありがとう。どうしてもさ嫌な時は一緒にしてくれる、かな？」
「モチロン！、お姉ちゃんのやりたい事が私のやりたいことなんだからっ」にぱっと笑う顔は幼子の頃よりも変わらない。自分の背中を追いかけて、追いかけて……いつの間にか隣に並んでいた時のようだ。
「（母さんもお父さんの事見てた時はこんな感じだったのかな）」母性本能がくすぐられるというか、焦れったいようなそんな気持ち。
「リン、今日はよろしくね」
「うん！、あっほらお姉ちゃん見えてきたよそこでやろう」