「構いませんよ、貴方様方のためならあのお方は24時間365日働きますから」
「何？、オヤジみたいにどこかちょろいとこでもあんのあのくそじじい」ええまぁ、と返事するナエの言葉にリンはうげぇと苦虫を噛み潰したような表情をうかべる。
あの余裕ありげで闇を隠す男にそのような所があるとは、と感じたからだ。
だがなるほど…父の中にいたものではあるし、どこか似ているところがあってもおかしくないのか。
「……意味わからないやつ」姉を狙うならば、その時は己の命をつかってでも消してやるだけだが。
───
久しぶりにコントン都の外へと繰り出す、ラディは周りの風景や雰囲気を見ながら本当にここは時と空間の狭間のようなとこなのだと感じ入っていた。
サイヤ人にナメック星人、地球人、チルド一族のものたち………本当に様々な人種達がそこにいる。
「……ナメック星人…」父を殺したものたち…、事情はわかっている。何が起きたかも未だに調子が崩れると幻聴で父が撃ち抜かれた時の声や様子が浮かび上がるのだから。
ふと思う、そのときカリグラは彼は何をしていたのだろうかと。彼の雰囲気からあまりそのことには触れられずそのままにしていたのだ。
場合によっては、助けてくれたのではないかと。できたのだろ、と問いつめたくなる。だが、そんなの八つ当たりだ。自分ができなかったからやれなかったからこそ出てくる気持ちだとなりギュッと腕を握る。
「…お姉ちゃん、何も無理してここに来なくてよかったんじゃない？」
「…ううん、大丈夫だよ。私がやりたくて、やろうとしてることなのだからっ」心配してみてくるリンにラディは笑って答える。
妹にまで気づかれて、このようなことを言われるとは。姉失格だ。