閑話5

「…お前の目論見通りだ、あれは気づいていないだけで実力を出しきれてはいない。この俺が中にいたせいでな」
「…やはりか…」
「話しを知っているかはわからんが、俺は原初の神々共にうらみをもたれていてなぁ…ラディッツの所にいたのも封印という形でだ。封印も、力を抑えさせ縛るのが常だ。ラディッツは俺を封印するための器…、呪具のようなものだ」なるほど、かつて己も神から封印されそうになったがあの魔封波のツボのようなものか。
であれば、たしかにラディッツがあの力だと言うのはうなずける。
「だからベジータたちより下の力だったと…、なるほどな孫の兄ならば……かなりの実力者だったろうな」
「当時4歳児であったおまえがなぁ、そこまでの目を持っているとはさすがは龍神を作りしものたちだ」
「……なぜ原初の神の怒りを買う、下界のやつらが神の怒りなんぞ買うのは相当な事だ。いや、野暮か………」探るな、と言いたげな目を見てピッコロはやめようと距離をとる。
流石にここまで話すのはなしだ、会ってすぐ彼から睨まれたとはいえその分の話はできたようなものだ。
「よく分かっているではないか……、好奇心や知識の心を持つことは大事ではあるが時には己を殺すぞ?」ああだが、こうはいってやる……カリグラは軽く目を閉じピッコロに告げた。
「愚弟の生まれ変わりが世話になった、あれは気ままに行動するが時には人の地雷を踏み抜くことがある。少し見てやってくれ」
「弟の生まれ変わり…孫のことか」揺れる赤いマントと純黒の長髪を見送りながら、ピッコロは目を見開いた。
悟空があの男の…そして、ラディッツは彼の生まれ変わり……なにか入ってはいけないだがしってすべて辻褄が合うような感覚を覚えてピッコロは空を見上げた。
「…作り込まれすぎた物語のようだ…」
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