とある2人の話

その瞬間、一瞬月鬼とカリグラがダブり見える。
嗚呼カリグラ、お前は相変わらずなのだ時を超えても……結局負けるのだとぽとりと命を落とした。
「…月鬼様、終えたのですか」刀の血を払いゆっくりと角もなくなり髪も元通りになりつつあるころ翼が声をかけてきて月鬼は溜息をつきああという。
「ったく、これだから嫌なんだこいつの力は使うのはよォ……」やはり長期で使うとカリグラの意思の方が強くなり自分は潰されかけてしまう。
どうにかこうにか境界線を強めてなるべくとられないようにしているが難しい。ヴァドの顔についているスカウターを取り月鬼は目を細めて潰す。
「録音されてやがるな、……まっデータを消すのは容易い」紫黒い炎を出して燃やし、これでよかろうと月鬼はヴァドの死体を消す。
「まだまだ多少俺たちがほのめかされてるくらいでいい……」
「その割には暴れすぎっすよ、月鬼様」国重の呆れたような声にうるせぇ、と返し月鬼も軽く目を閉じそのクロアゲハのようなまつ毛をふるわせる。
「俺だってわかっとるわ…、んなことはな今後気をつける」どうしても片割れのこととなると激流の感情を抱いてしまう。自分にとってラディッツが、双子のようだからというのもあるが……Raの時代になかなか楽しい思いをさせてくれたのもあるからだろう。
「ったく、手のかかるやつがかわいいとはよくいったもんだぜ……」
「主は確かに手がかかりますがねぇ、あんな厳しい男をそうやって思うのあなたくらいですよ」
「俺は一度死んじまってるからな、ばかなジジイのせいで生き返されてよ」だからこそ、ラディッツには幸せになってもらいたかった。
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