とある2人の話

先程より、さらにカリグラのような口調になり月鬼が話したところヴァドの後ろに穴が現れ気弾が脇腹を貫く。
先程の技はカリグラもかつて使っていた次元ホールだ、つまりこの男……空間や次元それらも掌握してるということかと口から血を垂らしながらかんがえる。
ならば、とどうにか気を回して距離を取りつつぐんぐんと向かってくる月鬼から離れようと動く。脇腹の穴は応急でどうにかふさげた。このままだと自分はおそらく失血死をするだろう、だがどうにかこの男の関心をこちらにひきよせよう。そして、どうにかむこうへせめてトランクスたちにでもこの男の存在を伝えようと。
「(こいつは危険だ!、我々もこの男に関わってはいけない!!)」次元ホールが使えるならば瞬間移動でこちらとの距離を詰められるだろう、だがこうやって真っ直ぐ来るのは同じステージで真っ向から殺ろうとするスタイルからだろう。強者としての姿勢、それが出たからだ。
「いまだっ!」ガッ、と止まりその姿勢を心構えを利用させてもらうと地球の戦士が使っていた強烈な光を気で生み出して目を潰す技を繰り出す。
やはりこの男、カリグラの欠片とはいえ完全に使いこなしているわけではない一瞬の隙にと目を使い五感を奪おうと目を合わせる。
その瞬間にナイフを出して、目に攻撃を喰らわせようとするとドスッと鈍い音が己の心臓から聞こえてくる。
「……効くわけないだろ、ヴァド」
「ぐぅっ!?」滝のように口から出て、膝から崩れ落ちてしまう。なんだ、なにがとみると月鬼の足元に黒くおぞましい死者の手が複数出てひとつが鋭いトゲのようになって血を垂らしていた。そうか、自分はこれで貫かれたのだ。
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