とある2人の話

「……そうだな、カリグラの器よ。自分はッお前のことを舐めていたかもしれない……」所詮若いものだと、だがそうではなかった。相手は舐めたような顔をしながらもまっすぐと自分を見てきていた。獅子搏兎、か弱いうさぎにだろうと獅子は容赦せず狩りを行う。
「……」冷たく鋭く見てくるその群青色の瞳、今にでも心臓を射抜きそうなものだ。
ヴァドは気を貯めて、月鬼へとまっすぐ光線を放つ。
「学ばねえやつだな。!」それを打ちかえすが、その先にヴァドはおらず代わりに脳へ刺激を受けトラウマが流される。
帰蝶が、最愛が殺された時の記憶が。
「いくらカリグラのだろうと所詮は半身!、多少のは効くだろ!!」あのラディッツという男に比べたら彼の力を使いこなしてるように見えるが、あの口ぶりとやり取り教えてもらいやっとのようにも見える。短剣をもう一度取りだし、月鬼へと突き刺さんとしたとこ刃の部分を握られ投げられる。
「ぐっっ!?」ごろごろっ!と転がり、何とか受身を取り前を見ると黒い瘴気をだしながら月鬼がこちらをゆっくりと見てきた。
あの髪型、黒髪……しかもあの龍のようなツノ。
「…ああ、油断しちまったぜ。少しだけよ」ゆっくりと月鬼は目を開く、それは反転目となり瞳孔はカリグラの左目のように真っ赤だ。
待て、この掴めない雰囲気と押しつぶされて内臓が出そうなプレッシャー……カリグラのそれではないか。
使いこなせてない、では無いのか彼は使わなかったということか?と読みの間違いを後悔する。
「…なぁぁ?、ヴァド。これだから俺は王になれねえと思ったんだよ」ざっ、と月鬼は歩いてきたかと思うと消えて簡単に自分を蹴りあげる。
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