とある2人の話

「丁度いい…、俺の存在を仄めかすためにもお前の相手この俺がしてやる」
『…つまらん試合を見せるな、俺の力を使うのだから…よいな?』
「圧勝だろ、わかってるわ」よかろう、といいカリグラの方は月鬼の中へと戻っていく。異様な光景にヴァドは目を奪われながら男…、月鬼の方へと見据える。髪の色や長さ、声も違う…体格も……どちらかと言えばかつて相手したラディッツの方に似た髪色だとは思う。だが、その身に纏う雰囲気そして立ち姿はあの己たちの星を支配したカリグラにそっくりだ。
後ろの大男…、そのラディッツともにてるがひとならざるものであろうか。
「…月鬼さん、俺様じゃなくていいんですか」
「月鬼様、僕でも」
「てめえらはひいてろ、俺が相手する」ふたりの従者に下がれと声をかけて月鬼はまえへとでる。
血の匂いが風で舞い二人の間を通る。
「…若造が、きさまがおれの相手をするのか!」
「若造?、おいおい魂のふくめば俺と変わらんだろ。俺も所詮、"カリグラ"なのだからなぁ」自嘲気味に笑い、月鬼は話す。そうだ所詮己もカリグラ、なんならば成れの果てと言ってもいい。
「(結局こうやって話せれるようになっちまってる)」どうやら俺の対のラディッツより器としての素質が高かったようにも思う、だが封印は上手くいってないというかなんというかだ。
このとおりある程度の自由を持たせてしまったのだから、適応したといえばきこえはいいが。
「ほらかかってこい、相手してやるぞ」くいくいっとゆびをうごかし相手を挑発すると、生意気な!とヴァドは片腕に気の剣をつくり襲いかかる。
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