とある2人の話

「~♪」朗々とした鼻歌の音が聞こえてくる、その声は子守唄のようでだがどこか恐ろしく冷たく思わせた。
機械が歌うものより熱がなく、冷たい。だが冷たいせいか響くような…どこか矛盾した組み合わせだ。
その声は男のもので、低く群青の色を持ち周りにいる怯えるものたちをこわがらせた。
「あっあぁ…!」黒い革靴は星の者たちの死体を踏みつけ歩く、とある女は腰が抜けながらも逃げようと走るが風がきる音が聞こえて三枚おろしで身体が別れてしまい命を落とした。
「あーー…、だりぃな。それにしても…あいつら見つからねえな国重」
「…やはり第6宇宙に行かれたのでは」国重、と呼ばれた男は顔にひびわれのあざと赤い目をもちその瞳を向けて黒い男へと話しかける。
その男は群青色の髪を持ち、睫毛が長く黒揚羽で縁取られたような瞳を持っていた。だがその瞳は青みを帯びながらも黒く清流のように冷たい。
「第6宇宙、第6宇宙ねぇ……それは無いな」ざっ、と歩きながら男は国重に話す。
「そもそもあそこが関わっていればァ、ビルスも黙っちゃいないだろう…。まっクソジジイ……カリグラのだったら別だろうがよ」
「………」
「はっ!、娘たちのことが心配か。…恐らくクソな時空にはばまれたろ」翼、と呼ぶと後ろに不思議な髪色を持った男がここにと現れる。
その左手には住民の首が持たれていた。ダラダラと血が流れて、小さい川を作る。
「…姫様たちのでしたら、確かに次元の狭間の方から気配が薄れてます」ほらな、と男は国重に告げる。
「俺の予想通りだ…、厄介なとこにまぎれてるらしいぜ?」
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