初の大喧嘩

ずるっ、とナエの言葉に転けそうになりながらカリグラはためいきをつきこたえる。
「ああ、そこはな…俺の仕事も楽になるし最高にいいぞ。」あとは、やつがターレスの事どう処理するからだ。
それにしてもリンのやつ…、この戦い方器のラディッツそっくりではないか。相手の弱点を見抜き、そこを攻撃する度胸。弱い攻撃はあえて受けて、油断させたところ鳩尾を狙う容赦のなさ…生きるか死ぬかのギリギリのラインでやり取りをしてスラッグを圧倒する力。
技を上手く使いこなして、相手をじわじわと削っていくスタイル…やつと同じだなとおもう。身体の使い方も筋肉の動作も、そっくりだ。体格は違うはずなのに、恵まれた才能からであろうか。
「……血とは、争えんものだな。」
「ああ、二の姫さまの?。…この動き、僕はあなたの若い頃のもよぎりますがね。」獅子はうさぎにも容赦をしない、かつて若い頃のカリグラも容赦がなかった。特に彼は多対数相手の時は容赦がなかった、リーダー格のものに目をつけて顔面を殴り襲いかかる2番手のものには肘打ちを食らわせる一気に戦意喪失させるようなスタイルだった。
スラム街となればそこらに瓶などが転がっている、その小道具を使いコケさせたところ顔面にヒザ蹴りを食らわせるなどいわゆるストリートファイトの原型のような戦い方をしていたのだ。
「…ですが、こちらの方がより殺しとしては洗練されてるようには見えますね。」リンの方を見つつナエはつぶやく。
「ラディッツのだからな、向こうは。俺はあくまで相手を屈服させる戦闘をしてただけだからな。」
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