護衛/対面

メリメリ!と細枝がおれるような音がトワの脳内へと聞こえてくる。
「っくあああ!!」甲高い声をあげてくるしみ、トワは見えないなにかをはなそうと喉を掻きむしるがつかめない。
「…どうした?、掴めないか。」片方でミラをつかみ、もう片方の手で握る動作をしながらカリグラは冷たくツメタクトワをみる。
「では少し強めてやろう…」じわじわと強まり、トワはたまらず吐瀉物を口から出してしまう。
なんてこと、私たちは…とんでもない男に挑んだということ!?とトワは改めて思う。自分はただやろうとしただけだ、よく見ればよかったのかそれともやらなければ良かったのかなど今更どうしようもないことが頭を巡る。
あ、もう死ぬっと意識を手放しそうなところ解放されて一気に息を吸い呼吸を行った。
「タダで、死なせると思うか…?。女」
「っ!、このっ悪魔…!!」
「それはお前たちのことではないか、自己紹介でもいってるか?。すまんが、興味のない女は覚えない主義でな。」ふっ、とカリグラは嘲笑うように嗤う。柔らかく、人から見れば魔性の笑みとも言えよう。
だが、トワにとってはそれは魔王の微笑みだった。今から世界ひとつを滅ぼさんと宣言するような。
ガタガタと自分でも震えてることがわかる、この男…微塵も自分たちのことを許す気は無いのだ。だからこそ教えようとしてるのだろう、圧倒的強者と弱者との差…ーお前たちは弱者だーカリグラはそういいたいのだろう。
ずずっ、と低い重低音の音が聞こえてくる。カリグラが空間から黒い剣をだしてきたのだ。
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