人望

カリグラはその言葉にすっと手を出す。
「わかった、その言葉はまたあとに聞かせてくれ。どうせならばお前たちに時間をさきたい、ゆっくりとな。」周りのものたちはその言葉に頷き去る。それぞれ、サヨナラではなくまたといって。
「…相も変わらず人たらしですな。」若い頃の外面もそうでしたね、とナエはいう。
「褒め言葉として受け取るぞ、ナエ。」
「…お好きにどうぞ。」ほんとに、昔からこの方は変わらない…明朗快活に覇王としてのカリスマ性を備えた男。
でもナエはわかっていた、カリグラの腹の底にある闇の深さと冷酷無慈悲さそして暴力性を。でも惹かれるのだ、みなこの男に。
カリグラがその恐怖を上手く扱って己の魅力としてみせてるからだ。
「そういえば、王しってましたか?。」
「お?、なんだ。」
「僕の先祖が……、あなたの器と幼なじみだということを。」
「あぁ!、あれか…あいつお前の若い頃そっくりだな。髪の色だけかちがうのは。」
「…そうですかね、僕は妻に似てるかと思いましたが…」
「いやいやあれはお前だぞ、性格は確かにな…」トランクスはカリグラとナエの話を聞いていた。
「(おそらく話してるのは…あの白銀の人のか…)」時の巻物を見ていた時に映っていた男のことを思い出す。おそらく自分の世界にはいなかった男、時の界王神たちもあまり触れようとしなかったもの。
背格好を見る限りフリーザ軍のものとしていたようにはおもう。関わっていたものを見る限りラディッツとターレスとは古い仲なのだろう。
「何か、気になりでも?。」ナエはトランクスの様子に眉をしかめて聞いた。
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