閑話3

呼吸が荒い、なんで急に。こんなのお父さんの死んだ時以来なのにーー、ラディは自分のからだから一気に冷や汗が出ることを認識する。脳裏によぎるのは、あの時の……母がさらわれた時のだ。
ー明け渡さぬか?、負けザル共がーだれがっ、愛おしい妻をきさまなんぞにわたすか!ーくだらん、猿が。神の道を邪魔するなーラディ!、リンを連れて!!。はやく行きなさい!ーやだっ、お母さん!!ーッお願いです!、これ以上っ夫と子供たちを傷つけないで!!ーっおい!、ラディッツっ!!!しっかりしろ!ー
ああそうだ、あの時も父は私たちと母さんを守ろうと戦ったんだ…だけど負けた。あの時の父はおそらく誰よりも力強かった、なにかに開放されたかのように引きちぎったように出して黒王を殴ろうとしたが…だめだった。腕の骨は折れられ、カリーさんやタレも私たちを守るので精一杯なくらいに。
あの黒い男は色鮮やかな私たち家族の世界を塗りつぶして言った。
ーラディ、リン…元気でねっ絶対絶対生きるのよー、母さんは涙を流して無理やりあの黒王に連れていかれた。
ふらっ、と視界が暗転してラディは膝から崩れ落ちた。
「お姉ちゃんっっ!」即座にリンが支え、声をかけるが目を覚まさない。
脈を確認すると、動いている…何かショックで倒れたのかとリンは考える。
「おい!、ラディっ!!。…熱まであるじゃねえか!、さっきまで無かったのによ…」
「トラウマのかしらね…、ねえこの子……もしかして皇嵐様の時はっきりとみてた?。」
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