閑話2

どこに来るかも分からない、その速さを認識しようとも思わない。
ならば、とラディッツは肌に触れる風から予測して少し斜め上へと抜刀をしてはね返そうとする。
槍の穂先へと触れたところで突如黒い液体を噴出させて槍は爆発する。
「なっ…!?」これはあまり浴びては行けない、とさがろうとしたとこ爆風で飛ばされそうになりしまったとおもう。
突然、何者かに腕を掴まれる。水滴がかべのようなものにぶつかる音も聞こえラディッツが目を開くとシルクの金髪の髪の毛と黒く禍々しい羽が目に入った。
「…黒王様。」そのものは低く、冷たい怒気を含んだ声を出す。声からするに男だ、初めて見る。
だが……何故か初めて、とは思えない。Raに会った時のような不思議な感覚がする。ああ懐かしい、相変わらずの冷たい声だと。
「お戯れが過ぎますよ、…いい加減にしてください。」碧い目を持つ男はその瞳を細めてにらみつける。
「ガイウスか……、なぜきた。」
「貴方様があまりにも帰らないからです。」ガイウス…、その名に懐かしいとおもう。だがこの様子、この男は黒王の部下なのだろうか。
ならば己の敵だ、そうおもい国重を構え直そうとすると脳内に声が聞こえる。
『余はそなたの敵ではない、かまえるな。』
「!?」国重と似たようなものなのだろうか、何故と思うと回答がかえってくる。
『…皇嵐様の頼みだ、そなたはだまっていろ。』皇嵐、その言葉にラディッツはあいつかと懐かしくも申し訳なさが出てくる。
「(お前はこういう時ですら、俺を守るのか)」
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