閑話2

カリグラの身体と魂…、それだけでも魔力への適応は早かろう。それこそ、弟よりも。
「…大猿が。」神の席までへと手を伸ばすか。
「お前が…皇嵐を渡さないと言うなら、開放させるというまでぶちのめす迄だ。」ジャキッ、と大太刀国重を構える。その構え…、黒王はハッとする。サイヤ人が本来知り得るはずのない構え。
「居合か」相手の攻撃を見極め、目にも止まらぬはやさで抜刀する技。
人間が極めた武術、こいつらサイヤ人は本来知らないはずのものだ。
国重が教えたか、…いやそれだけでは無いかと黒王はみる。
「…いやなに、バカパクリがしてたのを盗み見ただけだが…何故かわかっててなぁ。」カリグラだ、カリグラの身体が身にしみてたのだ。奴は武術も極めんとさまざまな時空や世界を渡り歩いてたのだから。
「…小賢しい、貴様らは実に小賢しい。」ふつふつと怒りが湧いてくる、我が姪を汚しあまつさえ人間ごときの子供を産ませて。
清廉なむすめが、穢れたのだ。この男によって。
「下民ごときではかなわぬことを改めて教えてやる必要があるらしいな。」ズズズズっ…、と不気味な低い音を鳴らし空間から特大の黒い禍々しいドクロが着いた槍を黒王は出してくる。
両者は睨み合い、お互いの間合いを測り始める。生ぬるい煉獄はその瞬間、冷たく極寒の土地のような冷気を出した。
「死ね、負けざる。」1歩、踏み出したところで黒王は特大の槍をラディッツに向けて投げてきた。
目にも止まらぬ速さで音もなく槍は迫ってくる。
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