閑話2

願うならば行動しろ、たとえ神や悪魔が敵になろうと。彼女のために全てを手に入れてもいい、反対に捨ててもいい。
煉獄の黒い沼がボコボコと低い音を鳴らし始める。黒王はその光景に目を見開き何だ、と感じた瞬間赤い鎖はまた引きちぎれ煉獄の沼の一部が黒い手となりかれにおそいかかってきた。
「小賢しいことを…!」この男、一部だけだろうと神の領域を支配し始めたのか。流石はカリグラの化け物の器というか、黒い手の襲来を舞でも舞うかのように避ける。
不快だ、己の領域を猿ごときに支配されるのは。
「…っはぁ、どうやら俺は…死んだからこそか本領発揮出来るらしいな。」生前常々感じていた、己の力が上手く発揮されてないと感じることを。
才能がないからか?、ど恨みがましく思ったことも多くある。所詮俺は親にも誰にも似てない、と。だが違ったのだ、己は何よりも特別であった。そもそも神を妻に持ち、ところどころとは言えベジータ達以上の力を出す時もあった。
悪魔と契約もしたのだから、生前が封されていたのだろう厄介だと感じたものたちから。いやはやこの世は小説より奇なり、ともいうが正しくその通りだ。今は自由だ、殺されたことは癪に触るが…ここは少し感謝してやろう。
「…猿が。」黒王はそう呟くと足元から黒いレイピアのようなものを無数に出し、ラディッツへと飛ばす。
目にも止まらぬ早さで彼を追尾するが、ラディッツの方はニヤリと笑い煉獄の壁を軽々と走り左手に刀を出した。
「国重か…!」だが恐らくこれは分身体だろう、だが面倒だと魔剣で受け止める。
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