「気分はどうだ、負け犬。」煉獄……、暗く赤黒い空間にてカリグラの器の男は赤い鎖に巻き付かれていた。
先にいる男は、とにかく黒と呼ぶにふさわしい雰囲気をまといオドオドしい赤い瞳を彼へとぶつける。
「ああ、サイッコーにいい気分だぞ。今すぐきさまをぶっ飛ばしたいくらいにな。」くくっ、とカリグラの器…ラディッツは笑い先にいる男を睨む。
「…負け犬ひとりも消しされんとは大したことないなぁ、え？黒王様よ。」黒王…、皇嵐の伯父にしてカリグラを殺すようにと仕向けた犯人の男はその美しいかんばせを歪めて負け犬がと悪態を着く。
「やはり下界のものはつかえんな、そなたの魂を葬り去ってやりたいわ。」
「だが出来んから、こうしてるのだろ？。皇嵐を返せ、きさまが俺にカカロットとあのナメック星の男を仕向けたのはわかってたぞ。」ラディッツの目が途端赤く光り、鎖を千切り黒王へと殴り掛かる。
だが、抵抗も虚しく身体は沈められ下の黒い沼へとおとされる。
「我に手を出せれると思うてか？？、下民が。」ラディッツの頭を強く踏み、黒王はぐりぐりとおす。
「がっっ…！、だがお前の靴に泥は濡れたな。ざまぁないな！！！、黒王！。」腹立たしいこの男……カカロット、下界の英雄と謳われた男の兄ラディッツ。
ちがうな、ラディッツ＝ガイウス…カリグラの器にして史上最悪の大罪人。人間でありながら、カリグラと同じく悪魔と契約して神を妻として子をなしたおとこ。カリグラがなし得なかったことをなし得たこの男。
「我の優しさだ、神の施し受けれて嬉しかろう？。」