事件発生

カリグラはそのラディの仕草に皇嵐を重ねて、懐かしくでもどこか愛おしく微笑んだ。
「…母親そっくりだ。」小さくポツリ、と呟いた。ーお前の娘たちは元気よく育ってるぞ、皇嵐ーこいつらを見ていると、彼女に会いたくなってしまう。
もう、自分は彼と共にと身を引いたのに。
二度と会う事も無いだろう、と覚悟してたのに今こうやって時代を超えて彼女の面影を持つ娘に会えた。
「(久しぶりだな、と会いたい)」愛おしい華に。抱きしめられなくてもいい、ただ彼女の顔を一目みれるだけでもかまわない。
彼女に自分は生きるということや、愛というものを教えて貰えたのだ。彼女との恋物語も、じぶんにとっていまじゃかけがえのないものだ。
「……」カリグラの顔にラディッツは気づいてしまった、そうか…カリグラの初恋の相手はこの姉妹の母親なのだと。
ちりっ、と心の中で悋気の炎ができるのを感じる。こいつにこんな幸せそうな顔をさせる女はなんだ、と。いや待てなぜそんな考えが出るんだ?とラディッツは思う。
「(これだとオレはまるでこいつに恋してるようではないか)」いやいやありえない、と首を振ってるとおいとカリグラから声をかけられる。
「どうした、挙動不審にして。」
「…べつに。」お前のせいだよ、と言いたいがここはやめておく。
「カリグラさん…」ラディは目を開けてカリグラの方を真っ直ぐと見た。
「そのタイムパトロールの仕事、私にさせてください。」
「え!?、お姉ちゃん!!??。」
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