事件発生

「さすがナエの子孫、話が早くて助かるな。」
「…あなたものその中から復活した、ということですよね。」カリーの真剣な言葉にカリグラはニヤリ、と笑い答えた。
「正解だ、カリー。お前たちのとこのラディッツが奴らの魔術を食らったことでな。」
「……えっ。」ラディはその言葉に驚く、そんな話聞いたことがない。父の中にこの男が目の前のものがいたなんて。
「…ああ、聞いてなかったか。カリーは皇嵐から聞いていたんだな…?。」
「……昔にです、俺から彼女に聞きました。」そうか、とカリグラは軽く目を伏せていう。
「…俺は俺の器のラディッツの中に封印されていた魂の一部だ、完全に俺とは言い難い…。二つに分けられて封印されたからな。」ひとつは器のラディッツ、もうひとつは別世界のラディッツへと。
おそらくもうひとつは未だに行動してるだろう、なんとなく気配はわかる。
「(面倒というか、それもまた俺にとって都合のいいことやもしれんが)」もうひとつの欠片の方は若い頃の己と近いが、破壊衝動や殺戮衝動は比べ物にはならない。
相手も相手だ、だが今はそれは関係ないな。
「そしてここにいる俺は、お前たちの父ラディッツに眠らされてたものだ。1番近い表現で言えば、前世…とも言える。」
「えっ、えっとつまりあんたは親父ってこと?。」
「…リン、さすがに…でも」
「お父さん(親父)よりましな性格してそう」
「お前たちのぶっ飛んだ父親と並べられるの少し心外だがな。」
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