始まり、始まり

「オレは……」
「オレは…いない方がいい、と考えてます…」人造人間とのこと、己の家族そして愛する師も失ったこと。善良な人達が殺されて行ったことをポツポツとトランクスはカリグラに話す。カリグラはその話を黙って聞く。
「で、あるか。…トランクス、お前の考えは間違いでは無い。」カリグラはトランクスの考えを肯定した。民が死ぬことは国が滅び、星は生きる力を失うからなと付け加えた。
「……」
「だが、世界のバランスは取れなくなるのだ。お前の考えは国の幸せというものでは良いだろう。」
「…世界のバランス…」ふと、トランクスはそれで思い出す。そういえば、未来に自分が干渉したことによりセルがより強くなったりしたことを。
「お前の想像するとおりだ、お前たち正義側と言おう…そいつらが強くなればなるほど悪は強くなる。だから魔人ブウのことがあっただろ。」トランクスはその言葉に心が重くなるような感覚がした。
「界王神どもも腑抜けたな…、だからトワは…俺を刺激した。」それで言うと、タイムパトローラーというのはどうかと思うだろとカリグラはもう一度考えろと告げる。
「つまりあなたがしないのは…そのバランスが崩れるから、と。」
「そうだな、ひとつはそれだ。もうひとつは単純にめんどくさいからだ。」
「でしょうね……カリグラ、でもこれは皇嵐様の考えでもできてるのよ…」
「…なんだと?、時の界王神。」
「あの方がしないとこんなでかい都もできないでしょ…、あの方はあそこに未だいながら我が子達のを考えたのよ。カリグラ。」あそこ…カリグラは、苦虫を噛み潰したような顔で告げる。
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