事件発生

「っくくくく、いやすまんな。俺はとても運がいいらしい…、少し複雑なのあるがな。」一瞬、そう一瞬カリグラは悲しげな顔をする。たまにこの顔は見る、そうだ……過去のことを話す時にだ。
「(なんでそんな顔をする…)」運がいいなら喜べばいい、なのに何故嬉しそうでありながら悲しげなんだ。
何があったんだよ、とラディッツは言いたくなるが口を閉ざした。無粋な気がしたから。カリグラのアレコレに口出しをするつもりは無い、だが時々…そうだ彼が過去の民たちと話してる時ずるいと思ってしまう。ああもう!、気色悪い!!とラディッツは頭を搔く。
「で?、行くのか??。」
「そうだな、ナエも出かけてる事だ…少し行く。」がたり、と席から立ち上がりカリグラは玄関へと向かう。
「……オレもついていく。」ふいのラディッツの言葉にカリグラは、きょとんとする。
「なんだ、来るのか。」
「…ああ。」こいつに関係する何かが来てるのはわかる、最近教えられた気の扱い方も…感じ方も。
勘違いでなければいいが、探ると3つある。どれもこれもサイヤ人だ、だが純粋ではない。1つは…ミラとやら達の近い、だがどこか掴めない。残り二つは…おかしい、己と同じなのだ。半分。だがどこか冷たい、そうだ…
「(カリグラのだ)」純粋な姿で若い頃でいる時のカリグラに近いのだ、だがこちらの方が冷たい。
『触れるな』なぜかわからないが、探ろうとすると己が言ってくる。どこか暗いところで自分と向き合い、相手は憤怒の表情で自分の手を掴み。だがこいつは、自分ではない。恐らく…
「……オレ、か。」カリグラの器の。
4/23ページ
スキ