最後の王子とかつての皇帝

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ラディッツぽかん、とカリグラの戦いぶりを見る。強いのはわかっていた、かなりえぐいほどには。
だがあの圧倒的さ、そして自分にとっては身近な悪夢のような存在のベジータを軽々と倒す力……。
「(オレは、とんでもないやつに認められていたのか…)」より具体的になって、そこで示されていたからだ。あのベジータが恐怖を感じている、あのナッパも。
シュタッ、と見られているカリグラのほうは降り立ち倒れているベジータの顔を蹴り冷たく見下ろしている。見た目が似ているせいか…,まるで自分がベジータを倒したような気持ちがしていた。
これがサイヤ人の唯一皇帝、そして魔王と呼ばれた男なのか。…不覚にもかっこいい、と思ってしまった。
「相も変わらず容赦がないな…」
「かなり出てるけど、ここからどうやるのかしら…」
「カリグラの事じゃ、それなりに自分がしてから悟空たちに譲るんじゃないかのォ。…って、おーい!。ラディッツなにほうけておる。」
「ほっ、呆けてなんぞいない!」
「あらそうー?、なんかカリグラに見惚れてるように感じたけど。」
「見惚れてなんかいないっ!」なんてことをこいついうんだ!。
「そうか、見惚れても仕方ないと思うがの。認めたくないが、カリグラはいい男で…誰よりも強いからの。」
「そこはね、中身は最悪だけど。…ん??」
「あれは…」時の巻物の映像に黒い煙がまた出る、これは…
「…トワたちの魔術ね…」性懲りも無く、彼女たちはきたようだ。
「命知らずにも程があるの。」あのカリグラ相手だからこそか。
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