最後の王子とかつての皇帝

「わっ、わーったよ。だけど無理するなよ。」
「誰に言ってやがる……、そういう事だ。ナッパ、ひとつ遊ぼうや。」カリグラはナッパとむきあい、くいっと指を動かす。かかってこい、と。
「グチャグチャにしてやるよ!」ナッパは殴り掛かり、カリグラへと突撃する。だがスルり、と彼は避けてこけさせた。
「暴れ牛か?、お前は。サイヤ人ではなく、ミート人じゃないのかァ?。」脳みそ筋肉め、とカリグラは挑発をする。がらがらっと瓦礫の中から出てカリグラを睨む。
だが、その冷たい目に豪雪の中の氷のような冷たさを持つ目にナッパは恐怖を感じた。
ある、同僚が言っていた言葉を思い出す
ー絶対なる主君ー孤高なる、真なる最強ーサイヤ人の中のサイヤ人にして、唯一無二の皇帝ーそれが、カリグラだー
あんなおとぎ話のような男がここにいるなんて信じられるわけが無い。だが細胞が告げる、この男にはかなわないとうそだふざけんなこんなラディッツそっくりな男に。
だがラディッツも、下級で慎重なやろーだが気弾においてはピカイチだった。それと獲物を追い詰める手法には、ふとある時のことを思い出す。
走馬灯のように何故か巡る、…ラディッツに普段通りに弱虫だと声をかけた時に一瞬。一瞬だけ、恐怖を感じたのだ。
底なし沼のような深さの黒曜石の瞳、死神のような色の深さ。己たちをただの肉塊としてしか見ない目が。それ以上なのだ、このカリグラの色は。
「…このぉぉ!!、弱虫ラディッツの顔でオレを見るんじゃねぇ!」ナッパは怒号の気攻波をカリグラへとはなった。
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