初めまして愛しき方~第1章~

「嫌よ!」断固として拒否する、皇嵐は布団で体を隠し訴えた。
「……だろうな。」チラリ、とカリグラを盗み見た。鍛えあげられた体躯、行為の後だから少し赤みをさし色気を漂わせている。腕も太く、逞しい。いつも鎧を着ているからわからなかったが、着痩せをするタイプだというのはわかった。
普通の男ならキザだと思う発言を彼の容姿と声は口説き文句に変えてしまう。行動もだ。いきなり口付けてくる唇も見れば、薄いが少し女のように膨らんでいた。そこから出る紫煙も彼にかかればただの、色気を増やす道具だ。
(…男って、こんな色気持つ者なの?。いや、カリグラが異常なだけよね。付き合ってもないのに…!)抱かれただけで、変わるのか鼓動が早鐘を打つ。いや、今やっと自分の気持ちにも気づけたのかもしれない。自分も美しくも気高い彼に惚れているのだと。
「…皇嵐…」
「何っ…!?。」途端深く口付けられ、舌を絡めとられた。
「…っは…心の声が丸聞こえだ。言わなかったか?、俺は心の声が聞こえるってよ。」悪魔の力も相まってな、と耳元で低く掠れた声で囁く。
「いっ、言ってないわよ!。」
「そうか…まっ、気をつけるんだな。誘うなら言ってくれ、喰いちまいたくなる…性的にな。」
「…ッツ!!」ボッと、顔が燃えるように熱くなった。そのときだ、カリグラがサイドテーブルにある灰皿へとタバコを押し付けて火を消したのは。
「…反則な。」ドサッ…、また身体をシーツへと押し倒される。
「え?」
「もう一ラウンド。」ニヤリ、と笑い皇嵐の太ももをいやらしく触った。
「ちょっと…やめっ…!」するりと下腹部までなぞられてからだが弓なりにしなるとまた口付けられた。
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「カリグラのっ…バカぁ!!。なにが一ラウンドよ!。三回もして!」ポカポカと、カリグラの胸板を叩いた。
「俺も男だから仕方ない。」男を刺激したお前が悪い。
「あなたっ、ほんとに最低だわ…!」その言葉にほめ言葉だと意地悪げに笑うと、カリグラは皇嵐の髪を1束すくうと真剣な顔をして言った。
「…俺は、近いうちに死ぬ。…ベジータに殺されてだ。」
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