藤の花が辺り一面に満開に広がっていたのだ。甘い香りを風とともに流れ、見るものを魅了し別の世界に引きこむようだ。
「…綺麗…」こんな光景、見た事がない。本来あるはずの地球ですらここまで大きく、色鮮やかにはないだろう。
「もっといいものを、見せてやろう。」パチン、とカリグラか指を鳴らせると青空が一気に夜空に変わり途端藤の花がライトアップされた。
すると、明るい紫、赤、青…と様々な色が出て藤の花と夜空の組合せが起きた。
皇嵐は感嘆の声をあげて、近づきうっとりと見惚れた。
「どうだ？、いいものだろ。」カリグラは優しく微笑み皇嵐に近づいた。
「えぇ、すごいわ！。まさかこんなのが見れるなんて…」
「…惑星ベジータでは、たまに流星も見られる…ほら、見ろ。」スッとカリグラが、指をさしたところには赤や黄色、緑の流星が流れていた。
「うわぁ…カリグラ、なにじっと見てるの？。」流星を見ているところ、なにか視線を感じて彼女はカリグラに問う。
「何お前が、美しくてな。」そういうと、そっと皇嵐に口付けた。二人の間を花々の香りが風とともに通る。
「あなたみたいなのを、たらしというのね…!｡あとはスケコマシかしら？。」突然されたことに驚き、顔を反らすとカリグラが聞いてきた。
「普通だ。…なぁ、藤の花の花言葉を知っているか？。」
「えっ、…佳客でしょ。」
「…それもあるが…もうひとつあるんだ。俺のお前に対しての気持ちだ。」
「なに？。」
「恋に酔う、だ。」儚く、でもどこか強く微笑む彼に見惚れているとカリグラからいきなり抱き寄せられた。
「…俺ではダメか？。」
「…えっ…」
「俺ならお前を幸せにする。絶対にだ。」