散った男

それからまもなくしてだ。爆発音が鳴り響いていることに気づき、窓から覗きこむとバーダックが一人で戦士たちを倒しているところを目撃したのは。
グッと血がにじむほどに手を握り堪える。
この光景をおぼえておかなくてはならないと、脳が告げているからだ。彼等から託されたのだから。
すると、コクピットが開く音がした。
「フリーザが出たのか…!」秒速でフリーザが放った光球がバーダックと家来たちそして星を飲み込んでいく。
「バーダックッッ!!!、ギネッ!!。」離れているはずなのに聞こえないはずなのに、五感が働きフリーザの声が頭に響く。
「ご覧なさい!。ザーボンさん、ドドリアさん!!。きれいな花火ですよ!」フリーザの残酷で冷たい笑い声が頭に響いてくる。今すぐにでも、フリーザを…いやフリーザの軍隊すべてを滅ぼしたい赤黒い怒りと恨み、憎しみが体を駆け巡る。
唇を噛み締め、拳を血が出るほどに握りしめて堪える。
故郷も母も慕ってくれたものたちはこれでほぼ死んだのだ。亡くなったのだ。
覚悟はしていた、戦闘民族の定めだと。戦いを業とするものの最後の死に様だと。だけど…
「これはっねぇだろ…!」なぜ裏切った、なぜ滅ぼした…!。
ーバーダック、お前はこれでよかったのか!。死ぬと決まった戦いに挑んで負けて…!!ープライドも何もかもが粉砕されてー。
スカウターの音が鳴り響く。何者かの宇宙ポッドが通りすぎていると。見てみると…
「カカロット…!?」ラディッツの弟だ。
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