散った男

「おれはよ、お前よりガキだが人のことを見てきたつもりだ。…ラディッツに関してもだ。隠してるならば、吐け。」
「何もありませんよ。あのバカ息子についても、とっとと…!」ドォォン!!!。途端、バーダックとギネの間の壁に大穴が空いた。カリーが気弾を至近距離からぶつけたからだ。
「てめぇは、本気で言ってやがるのかッッ!。バーダック!!!。」バーダックより高い身長のせいで、見下す形に鳴りながら胸ぐらをつかみ怒鳴る。バーダックは、けほっと意識を苦しそうに顔を歪める。
「俺たちサイヤ人は確かに、家族への上も仲間意識も低い。けどよ、子に関してはある程度大事にしているはずだ。とっとと…?、もう一度いってみろ。カカロットだけか?、お前のガキはよっ!。」やめてください!、とギネは割ってはいる。
「バーダックは彼なりにあの子を大事にしてます!。わたしも…!」ギロリと人を殺さんばかりの眼光に怯えながらもギネは答える。
すると、バーダックが小さく呟いた。
「…父親と思ってれば、未練も何もないでしょ…!」
「あ?」
「酷い父親だと思ってれば、未練も何もないでしょ!。…ラディッツは長男だ。強くあってほしいのです!。…いつ死ぬかわかんねぇ父親になんか未練を持たれてほしくないからだ!。」言葉を紡ぐバーダックの姿にカリーは驚いた。あのバーダックが、ここまで子のことをおもっていたことにだ。話す姿は紛れもなく戦士ではなく一人の父だった。
「…ただの親バカかよ。」やれやれ、とカリーは飽きれ呟いた。
2/7ページ
スキ