比翼連理~第14章~
「調査に行くのか??」
ある日ラディッツが事務仕事を片付け終えてRaとタバコを吸っているとRa──月鬼はええとこたえる。
「少し気になる星がいくつかありましてね、そちらに何でも古い魔導書があるとかで(あのクソジジイ(カリグラ)の遺品だが、つかえるだろ)」
仮面の下にある群青色の瞳を細めながらラディッツにそうはなす、彼が狙っているのは2000年前カリグラが契約した原初の魔神アンリの記憶をまとめていた著書のだ。
あの中には黒王がいる暗黒闇魔界について書かれたのもあるはず、カリグラの記憶を持っていようとたしかな証拠の根幹が欲しかったのだ。
「それで著書がいくつ見つかるかも分かりませんし、カリーさんに宇宙船をひとつ借りていこうかと思いましてね……
よろしいでしょうか?」
「構わんが、お前ならワープで行けるのではないか??」
「仰る通り、確かに魔法で行けないこともないのですがねえ。銀河パトロール隊や何かとうるさいのですよ、なので今回は宇宙船でさせていただこうかと(黒王の野郎にバレても面倒だからな)」
この世界にカリグラの生まれ変わりは2人もいらない、そして黒王自身は一人たりとてゆるすわけがない。
ここ数ヶ月黒王の監視の目が鋭くなってきていることは肌でじわじわとわかっていた、ゆえにカリーの宇宙船をつかい向かおうと思ったのだ。カリーのならば銀河パトロール隊もフリーザ軍だと分かりあまり関わろうともひないだろう。
暴れようとも思っていない、ただゆっくりと見て回ろうとくらいだから絡んでも来ないはずだ。
Raがそう言うとラディッツは顎に手を当てて少し考えてわかった、と承諾した。
「お前が言うのならば余程大事なものなのだろう?、構わんぞ。カリーからはRa、お前が言うか」
「そうですね、私が貸していただきますし上等な酒ひとつ用意して声をかけようかと思います」
Ra(月鬼)はラディッツの言葉に少し安心したように一息ついてこたえる。彼ならば自分の言葉を拒まないと分かっていたからこそのものだが、いやはや己のような存在に嘘では無いがうそのようなものをつくのはすこし心苦しい。
黒王がラディッツを殺さないように、そして己の最愛の帰蝶のように死別しないようにと動かなくてはならないのだから。
「(アヴェスタをとっとと探していかねえとな)」
アヴェスタ…、アンリの記憶にあるありとあらゆる祭儀や式典そして魔導や悪魔や神々の情報などが記されてあるもの。
一般的には聖書のようにとも言われてるが本質はアンリの記憶をまとめ、カリグラがさらにプラスアルファをくわえた覚書みたいなものだ。感覚としては青年時代の日記を探しに行くようなものではあるが、そこには黒王についてアンリが記したものもあるためほしい。
「(堂々と今アンリにかかわれねえからな……、はやくいくか)では私は早速カリーさん達のとこに行ってきますよ、ごゆるりと休まれてくださいね?」
「ああ、わかった。おまえもきをつけろよ」
Raは吸っていたタバコをラディッツと使用している灰皿へと押し付けて黒いフードをかぶり去る。
ラディッツはそれを見送りながら、ぽつりと呟いた。
「……魔導師、というものも大変なのだな」
どこか他人事にRa(月鬼)が他時空の自分だとわかっていないからこその天然なボヤキである。
コンコンッと少ししてノックの音が聞こえてきて、ラディッツが声をかけると皇嵐が入ってきた。
「皇嵐…っ!?」
軽くRaと挨拶がわりの久しぶりのタバコを吸っていたことを思い出し力強く灰皿に押し付けると皇嵐が楽しげに笑い大丈夫よと声をかけてきた。
「もうリンとラディも寝たし、軽くくらいね??。私がタバコの匂い苦手と覚えててくれたのでしょう?、ありがとうラディッツ」
「っあ、ああ……。なにをしにきたんだ」
「あなたが無茶していないかと心配で様子見に来たのよ。なにかと事務仕事をしてるし、子供たちの為にと奮闘しているのはわかるけどすこしやすみなさいな」
ラディッツはまさかの皇嵐からの言葉にくつくつと笑ってしまう、この軽い言葉のやり取りを自分たちは何度繰り返したことだろうか。
仕事を無茶しないで、と妻に言われることがなんだか居心地いい。
「っああ、そうだな。お前にラディたちを任せっぱなしもいかんな、いまラディたちは?」
「国重と翼くんから軽い稽古してもらってるわよ、護身術は覚えていて損は無いからって」
「なるほどな…、たしかにあいつらは仮にも俺たちの娘だ。なにをされるかわからんし、あの二人ならばまともなちゃんとしたものを教えてくれそうだな」
「国重はあの織田の名刀、経験からちゃんとしたものを教えてくれるわよ?」
そういい皇嵐はラディッツの手を引っ張りリビングへと導く。ラディッツは少し驚きながらも服を整えてタバコの匂いついてないよな?、と確認しながら歩く。
「もうッ、そんなことをするくらいならあなたタバコを吸うのをやめなさいな」
「禁煙してたのだがな、Raと話していたら気が抜けてしまったぞ……」
「ふふっそうね、久しぶりに生意気。お茶飲みましょうよ?、あなたと私でね」
お湯が沸騰する音、そして皇嵐がゆっくりとアンティークな白いカップにお茶を注ぐ音が聞こえてくる。
ラディッツはゆっくりとそれに耳を傾けて、黒のロングソファに座り聞く。ここに来て家族、というものもしれて幸せだった。相変わらずベジータたちとかは話が合わんなとなり距離をとるが、家族がいるその支えがあってやって行けると思ってしまっている。
深層心理だろうか、心の底で深くおもっていたことがある。カリーからも指摘されていたことを。
─俺はひとりだ─
その思いはどう足掻いても取れなかった、幼い頃からありあのお人好しの母親からも気高い父からも理解されようと思わなかった。
それはもちろんベジータたちにも、彼らとは程よい距離で俺の心の中に来るなと。ターレスやカリーたちのでも感じていた。
「できたわ、生意気」
「……感謝する」
暖かいハーブティ、心が落ち着く。ふわりと香る皇嵐からの花の香りが今一番落ち着く。昔からなのだろうか、彼女の存在に出会いすくわれて共に苦楽を共にしたいと誓った。
皇嵐にだけ、度々感じている想いがありお茶を飲むと同時に零れてしまう。
「『お前にはかなわんな、皇嵐』」
誰かの声と被ってしまう言葉、きっとそれは前世からもこれからも変わらないものなのだろう。
皇嵐はえっ、とお茶を飲む手を止めてラディッツをみる。
「何、お前にはほんと敵わんなぁ……と。
お前のおかげで俺は2児の父親だ、まもるものまでできてしまった」
「そうね、あなたは間違いなくあの子達の父親よ?」
お転婆でありながらも国重が大好きで、人が大好きでたまらない元気なラディ。
姉のことが好きすぎてたまらなくなって、幼い頃のラディッツのように姉を追いかけるリン。
リンに関してはカリグラの苛烈さも受け継いでるように皇嵐はおもってしまう、ラディは……あの人と自分との間の子の一人のようにもかんじてしまう。この摩訶不思議な縁を繋げる集大成のようにだ。
「あなたが、あの子たちを共に育ててくれて私も楽しかったし幸せよ……ラディッツ。直接命を産むなんて経験そうそう無かったものだからね?」
「ははっ!、たしかにそうか。神は力で産むのだからな??」
「そういうことよ、……だからよかったのこの思い出を永遠に忘れられないでいられそう」
そういい近くのテーブルにある家族アルバムを見る、最初の頃の新婚旅行のものだ。この時はまだ家族が生まれるなんてわからなかったし、知らなかった頃の。
カリグラに関係する土地で深く結ばれて、やがてラディの妊娠が発覚した。
「……ええ、本当に不思議よ。不思議でたまらないのよ」
あなたからのプレゼントのように思えてならない、皇嵐はラディッツのことをちらりとみる。
そして自らまたラディッツへと口付けた。
「っ!?、皇嵐っ」
「フフフッ、たまにはいいじゃない?。こうやって過ごすのもね」
「それもそうだな、皇嵐。愛しているぞ」
「ええ、私もよラディッツ。……ずっと、一緒にいましょう」
この数奇な運命から生まれた薄氷の幸せをどうか、どうかまだ過ごさせて欲しい。そう思いながらふたりはお互いからまた口付けた。
ある日ラディッツが事務仕事を片付け終えてRaとタバコを吸っているとRa──月鬼はええとこたえる。
「少し気になる星がいくつかありましてね、そちらに何でも古い魔導書があるとかで(あのクソジジイ(カリグラ)の遺品だが、つかえるだろ)」
仮面の下にある群青色の瞳を細めながらラディッツにそうはなす、彼が狙っているのは2000年前カリグラが契約した原初の魔神アンリの記憶をまとめていた著書のだ。
あの中には黒王がいる暗黒闇魔界について書かれたのもあるはず、カリグラの記憶を持っていようとたしかな証拠の根幹が欲しかったのだ。
「それで著書がいくつ見つかるかも分かりませんし、カリーさんに宇宙船をひとつ借りていこうかと思いましてね……
よろしいでしょうか?」
「構わんが、お前ならワープで行けるのではないか??」
「仰る通り、確かに魔法で行けないこともないのですがねえ。銀河パトロール隊や何かとうるさいのですよ、なので今回は宇宙船でさせていただこうかと(黒王の野郎にバレても面倒だからな)」
この世界にカリグラの生まれ変わりは2人もいらない、そして黒王自身は一人たりとてゆるすわけがない。
ここ数ヶ月黒王の監視の目が鋭くなってきていることは肌でじわじわとわかっていた、ゆえにカリーの宇宙船をつかい向かおうと思ったのだ。カリーのならば銀河パトロール隊もフリーザ軍だと分かりあまり関わろうともひないだろう。
暴れようとも思っていない、ただゆっくりと見て回ろうとくらいだから絡んでも来ないはずだ。
Raがそう言うとラディッツは顎に手を当てて少し考えてわかった、と承諾した。
「お前が言うのならば余程大事なものなのだろう?、構わんぞ。カリーからはRa、お前が言うか」
「そうですね、私が貸していただきますし上等な酒ひとつ用意して声をかけようかと思います」
Ra(月鬼)はラディッツの言葉に少し安心したように一息ついてこたえる。彼ならば自分の言葉を拒まないと分かっていたからこそのものだが、いやはや己のような存在に嘘では無いがうそのようなものをつくのはすこし心苦しい。
黒王がラディッツを殺さないように、そして己の最愛の帰蝶のように死別しないようにと動かなくてはならないのだから。
「(アヴェスタをとっとと探していかねえとな)」
アヴェスタ…、アンリの記憶にあるありとあらゆる祭儀や式典そして魔導や悪魔や神々の情報などが記されてあるもの。
一般的には聖書のようにとも言われてるが本質はアンリの記憶をまとめ、カリグラがさらにプラスアルファをくわえた覚書みたいなものだ。感覚としては青年時代の日記を探しに行くようなものではあるが、そこには黒王についてアンリが記したものもあるためほしい。
「(堂々と今アンリにかかわれねえからな……、はやくいくか)では私は早速カリーさん達のとこに行ってきますよ、ごゆるりと休まれてくださいね?」
「ああ、わかった。おまえもきをつけろよ」
Raは吸っていたタバコをラディッツと使用している灰皿へと押し付けて黒いフードをかぶり去る。
ラディッツはそれを見送りながら、ぽつりと呟いた。
「……魔導師、というものも大変なのだな」
どこか他人事にRa(月鬼)が他時空の自分だとわかっていないからこその天然なボヤキである。
コンコンッと少ししてノックの音が聞こえてきて、ラディッツが声をかけると皇嵐が入ってきた。
「皇嵐…っ!?」
軽くRaと挨拶がわりの久しぶりのタバコを吸っていたことを思い出し力強く灰皿に押し付けると皇嵐が楽しげに笑い大丈夫よと声をかけてきた。
「もうリンとラディも寝たし、軽くくらいね??。私がタバコの匂い苦手と覚えててくれたのでしょう?、ありがとうラディッツ」
「っあ、ああ……。なにをしにきたんだ」
「あなたが無茶していないかと心配で様子見に来たのよ。なにかと事務仕事をしてるし、子供たちの為にと奮闘しているのはわかるけどすこしやすみなさいな」
ラディッツはまさかの皇嵐からの言葉にくつくつと笑ってしまう、この軽い言葉のやり取りを自分たちは何度繰り返したことだろうか。
仕事を無茶しないで、と妻に言われることがなんだか居心地いい。
「っああ、そうだな。お前にラディたちを任せっぱなしもいかんな、いまラディたちは?」
「国重と翼くんから軽い稽古してもらってるわよ、護身術は覚えていて損は無いからって」
「なるほどな…、たしかにあいつらは仮にも俺たちの娘だ。なにをされるかわからんし、あの二人ならばまともなちゃんとしたものを教えてくれそうだな」
「国重はあの織田の名刀、経験からちゃんとしたものを教えてくれるわよ?」
そういい皇嵐はラディッツの手を引っ張りリビングへと導く。ラディッツは少し驚きながらも服を整えてタバコの匂いついてないよな?、と確認しながら歩く。
「もうッ、そんなことをするくらいならあなたタバコを吸うのをやめなさいな」
「禁煙してたのだがな、Raと話していたら気が抜けてしまったぞ……」
「ふふっそうね、久しぶりに生意気。お茶飲みましょうよ?、あなたと私でね」
お湯が沸騰する音、そして皇嵐がゆっくりとアンティークな白いカップにお茶を注ぐ音が聞こえてくる。
ラディッツはゆっくりとそれに耳を傾けて、黒のロングソファに座り聞く。ここに来て家族、というものもしれて幸せだった。相変わらずベジータたちとかは話が合わんなとなり距離をとるが、家族がいるその支えがあってやって行けると思ってしまっている。
深層心理だろうか、心の底で深くおもっていたことがある。カリーからも指摘されていたことを。
─俺はひとりだ─
その思いはどう足掻いても取れなかった、幼い頃からありあのお人好しの母親からも気高い父からも理解されようと思わなかった。
それはもちろんベジータたちにも、彼らとは程よい距離で俺の心の中に来るなと。ターレスやカリーたちのでも感じていた。
「できたわ、生意気」
「……感謝する」
暖かいハーブティ、心が落ち着く。ふわりと香る皇嵐からの花の香りが今一番落ち着く。昔からなのだろうか、彼女の存在に出会いすくわれて共に苦楽を共にしたいと誓った。
皇嵐にだけ、度々感じている想いがありお茶を飲むと同時に零れてしまう。
「『お前にはかなわんな、皇嵐』」
誰かの声と被ってしまう言葉、きっとそれは前世からもこれからも変わらないものなのだろう。
皇嵐はえっ、とお茶を飲む手を止めてラディッツをみる。
「何、お前にはほんと敵わんなぁ……と。
お前のおかげで俺は2児の父親だ、まもるものまでできてしまった」
「そうね、あなたは間違いなくあの子達の父親よ?」
お転婆でありながらも国重が大好きで、人が大好きでたまらない元気なラディ。
姉のことが好きすぎてたまらなくなって、幼い頃のラディッツのように姉を追いかけるリン。
リンに関してはカリグラの苛烈さも受け継いでるように皇嵐はおもってしまう、ラディは……あの人と自分との間の子の一人のようにもかんじてしまう。この摩訶不思議な縁を繋げる集大成のようにだ。
「あなたが、あの子たちを共に育ててくれて私も楽しかったし幸せよ……ラディッツ。直接命を産むなんて経験そうそう無かったものだからね?」
「ははっ!、たしかにそうか。神は力で産むのだからな??」
「そういうことよ、……だからよかったのこの思い出を永遠に忘れられないでいられそう」
そういい近くのテーブルにある家族アルバムを見る、最初の頃の新婚旅行のものだ。この時はまだ家族が生まれるなんてわからなかったし、知らなかった頃の。
カリグラに関係する土地で深く結ばれて、やがてラディの妊娠が発覚した。
「……ええ、本当に不思議よ。不思議でたまらないのよ」
あなたからのプレゼントのように思えてならない、皇嵐はラディッツのことをちらりとみる。
そして自らまたラディッツへと口付けた。
「っ!?、皇嵐っ」
「フフフッ、たまにはいいじゃない?。こうやって過ごすのもね」
「それもそうだな、皇嵐。愛しているぞ」
「ええ、私もよラディッツ。……ずっと、一緒にいましょう」
この数奇な運命から生まれた薄氷の幸せをどうか、どうかまだ過ごさせて欲しい。そう思いながらふたりはお互いからまた口付けた。
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