比翼連理~第11章~

月鬼の方は自分の言葉を素直に聞きながらも少し恥ずかしいのか目を逸らしている、だって本当だから。術を教えてくれた時や成功した時によく見せる瞳とそっくりだったから。
翼も伊達に呪術師としてある訳では無い、そういう感情の違いだってよくわかっている。
月鬼はポーカーフェイスの上手い男だが、感情を素直に出す時は出してくれていたのだから。
「……すごく、愛おしげでした」
「てめての生まれ変わりの1人だからだろう、"俺"は俺とちがって身体も受け継いでいるからな」
「月鬼様も似てましたよ?」
「はっ!、記憶と力持ちだからな。これでもあれの成れの果てだ、そりゃあ似てるだろうぜ……歳とって丸くなったのかわからねえが。光忠、茶をよこせ」
「はいはい、主くんと比べたらカリグラさまの方が少し優しい気もするけどね」
「文句かぁ?、てめぇ」
「カリグラ様は刀に優しいお人だったと思うよ、国重様も話してたけど実力ある子のことはすごく認めてたからね」
「そうなのですか?」
「うん、彼が持つものでね征天魔王ってよばれる刀があるんだけどかなりの人斬りでもあり魔物斬り。カリグラさまは戦の時はよく使うし、腰に携えていたんだよ……ちなみに元の持ち主は国重様の主の織田信長公ね」
「ジジイお気に入りのな、本当は欲しかったの国重だがよ」
「認めてたからこそそばにおく、認めてたからこそよく手入れして愛でてたんだよ。彼の為にと道具を新しく揃えたりしてね」翼は光忠が少し嬉々として話す姿に随分と認めてるのだと思う。彼がここまで人について話すなんて、と驚きもあった。
光忠はあまり過去のことを話さない、それは今を見ているからだ。伊達政宗やかつての主たちに恥じないようにと生きているからとも思う。
5/8ページ
スキ