「…生意気…」
「俺が嫌いでもいいから…！、だから離れるな！！。」子供の叫びだ。でも、母にわがままを求める子供の叫びではない。
姉にねだる弟のものでもなかった。
淡い恋心を抱く子の想い人への叫びだ。熱烈な恋愛感情を含ませた男の発言だ。
皇嵐は、首につけていた青い石の首飾りをはずししゃがんで、ラディッツと目線を合わせて首飾りを彼につけて言った。
「…ねぇ、約束をしましょ？。」約束…？、ラディッツは聞き返した。
「そう、約束。あなたが大きくなったとき、私を探してほしいの。どんな手を使ってもいいわ。」
「……」
「私を見つけて、惚れさせてくれたらあなたとずっと一緒にいるわ。」
「本当か？、俺のものになるのか…？」
「えぇ、約束よ。」軽く額に口づけて、離れる。
「…またね、ラディッツ。」はじめて名前を呼ばれた。その感動に目を開いていると、いつのまにか彼女は消えていた。
夢のように儚いものだ。でも、額に残る柔らかい感触は夢でもなく現実のものであることを告げていた。
「「…絶対見つけてみせるぞ、皇嵐」」そのとき…幼いラディッツの声と共にあの男カリグラのも重なったのは誰も知ることは無かった。