初めまして愛しき方~第5章~

「最下級…?」己と同じ立場のものが。あのベジータ王家に…?。あんなにでかい家に挑んだと?。
想像できない、最下級が王に皇帝になっていたことなど。幼い子供だから、ではなく大人であろうと理解できないだろ。少なくとも、今の者たちは。
「…当時のサイヤ人の皇帝は、宇宙海賊としていたフリーザの先祖にも従わず独立していたわ。しかも星をすべて支配して。…これは紛れもない事実よ。なんなら、彼らすら怯えてその皇帝には近寄らなかったわ。」神でさえ支配していた…あの男は。まさに異端、そして麒麟児とも言えるだろう。
「戦えないものたちには配給や事務の仕事を。土地の改革、さらには戦闘できるものには専門的な訓練もさせていた。…今の惑星ベジータの礎を作ったのは間違いなく彼だったのよ。」ああ、彼の話をしていてわかる…彼ほど皇帝と呼ぶにふさわしいものはいないということが。
あの気まぐれビルスが彼の名前を覚える程なのだから当然とも言える。
「そうか…!」チラ、と上を見てみると頭上のとこにうっすらとだが男が見えた。己のように髪が長い男が。ニヤリ、と顔はわからなくとも笑っているのは理解できた。すると、頭に声が響いてきた。
゛こいつを惚れさせてみたければ、俺を越してみろ″。
上等だ…!。
「なぁ、皇嵐…帰るのか…?」
「えぇ、もう用も済んだから。神がずっといてはいけないから…」
「帰るな!、俺のそばにいろ!」しがみつき、ラディッツは嫌だと言いたげに答えた。
4/5ページ
スキ