比翼連理~第9章~

時間をかけながら子供は生まれようと必死だ、ゆっくりと時間をかけてくれてるのは母である自分を気遣ってくれてなのだろう。
1口飲んだあと、皇嵐は手を動かしてお腹を撫でる。子供に、ラディに伝わるように。
「大、丈夫…だい、じょうぶよ……っ!。あなたが生まれたいようにっ、うまれなさい……ラディ」
「皇嵐…」ラディッツの方を見れば少し驚いたような、そんな顔をしている。でも言葉の意味をくみ取り、そうだなと頭を撫でてきてこたえた。
「俺たちも待っている……、お前の生まれたいようにこい」心配そうに、でもどこか頼もしいようなそんな顔をしながらラディッツは話す。ああなんて、大きくなったのかしら…彼も。
すっかり、父親の顔をするようになり皇嵐は彼がいるなら大丈夫とおもい力む。あ、とすこし意識を飛ばしかける。
『…ここで飛ぶか?、我が女王。かっこいいとこを見せて欲しいものだ』
「(カリグラ…!?)」不思議と肩をだかれ、支えられてる感覚を覚えて皇嵐は目を開ける。小さく、でも元気に赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
産湯につかり身体をラディッツが翼に教えて貰いながら拭いている、未だへその緒はつながったまま。ふわ、ふわっとしっぽが見える。ラディッツとそっくりな可愛いしっぽ。
「…生、意気……っ」
「…産まれたぞ、俺たちの子供。


娘だ、お前に似てそっくりな可愛い娘…ラディが」優しくタオルで包み込み、ラディが自分の側へとくる。ひくっ、ひくっと泣いてるがなんと可愛い子か。
赤い、赤い瞳…自分と同じそしてラディッツの紺青色のような髪の毛。膝下まである、…指を握られてその力強さに密かに彼をカリグラを感じた。また彼は自分たちを見守っていたのだ、そして自分を支えに来てくれたのだ。
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