「随分と腹も膨らんできたな……」
「そうね、もうそろそろかもしれないわ」皇嵐は丸々と膨らんだお腹を撫でながらラディッツと話す。
短期遠征が多くなってきてやはり怪しまれたラディッツは、ベジータたちから色々探られたり言われたりもされた。だが間にカリーがはいり、ラディッツはこちらの手伝いがあるからと強く言ってくれたおかげか探りもパタリとやんだ。家にも押しかけようとナッパが来ようとしたが、Raが腹を下す魔術をかけて退避させたりもしたらしい。
「（あいつ、意外と使えるな）」おかげでラディッツもRaへの評価はうなぎ登りだ。おまけに何かしら悩んでた時にするりと来て、話を聞いてくれるし子供のことや皇嵐のことで悩んでることを聞いてくれる。
ベジータたちへの愚痴ももちろん聞いてくれる。
「これだと…早くて明日とかに生まれたりしてな」
「ふふふふっ！、そうね……早くあなたに会いたいわラディ」華やかなだが落ち着きのある花の香りのような声でそういいつつ、お腹を撫でればぽこっ！とけられる。
蹴ったわよ、といえばラディッツは驚きながらも皇嵐のお腹の元へとより娘の名前を呼んで撫でればまた蹴り返された。
「こちらの声、聞こえるものなのだな」
「そうね…こんなに聞こえてわかるだなんて、私も驚きよ」
「…本当、愛おしい……父親の俺がお前たちのことまもるからな」そう言ってもう1回撫でれば、自分もやるよといいたげにお腹を蹴られてラディッツは思わず笑ってしまった。腹の中の子もどうやら家族想いで、この時点でかなりいい子かもしれない。
皇嵐の血があるんだ、当然だろう？とふと脳裏に声がよぎる。自分の声ではない、だが似てるような…心做しか皇嵐をみて少し悲しそうで嬉しそうだ。
「（またなんだ…）」