比翼連理~第8章~
名前……名前…やはり考えてみてもあまり、と思うが一つだけそう一つだけある。悲願のようなすがりのようなそんな気持ちが出てくる。
この子が、親の自分たちの名前を忘れないように。特に──いつ戦場や運命に巻き込まれてきえいくじぶんのことを忘れないようにと。
俺はお前の事をずっと守っていくと、死んでも皇嵐と自分の愛の証である子供のことを忘れないという気持ちを込めて。
「……それは、俺の気持ちを込めたものでもいいのか?」
「いいわよ、父であるあなたの気持ちには自ずと私のもある。とてもいいじゃない」
「………」忘れないで欲しい父の自分のことを、お前の母とたしかに愛し合い紡ぎ産まれてくる子であるお前を愛したことを。
ラディッツはその言葉に緊張しながらも、皇嵐にだけ聴こえる声で伝える。
「……"ラディ"、俺の名からあやかってだ。親のことを覚えていてもらうためにも、…俺がお前との愛の証たる子を愛したということの為にも」
「……あなたの名前にあやかって、ね。いいじゃない、それ」愛する為にも、と。皇嵐は優しく桃色の唇を動かして自分の頭を撫でてくる、小さい頃自分にしてくれたように。
そのなでかたにまどろまながら、ラディッツは皇嵐の額に額をくっつけて唇を当てる。そうこうやって、自分を受けいれてくることが嬉しくてたまらない。ほわほわと心が柔らかくなっていく。
「…ありがとう、皇嵐」
「私もよ、私たちの子供に名前をつけてくれてありがとうねラディッツ。…あら、動いたわ」ポコンっと確かに小突くような音が聞こえてきて、お腹が動いているようだ。ふるふると小さくお腹が脈打ちラディッツはもう一度!とお腹の中にいる子供に言う。
「もう1回!動いてくれないか??ラディ」
この子が、親の自分たちの名前を忘れないように。特に──いつ戦場や運命に巻き込まれてきえいくじぶんのことを忘れないようにと。
俺はお前の事をずっと守っていくと、死んでも皇嵐と自分の愛の証である子供のことを忘れないという気持ちを込めて。
「……それは、俺の気持ちを込めたものでもいいのか?」
「いいわよ、父であるあなたの気持ちには自ずと私のもある。とてもいいじゃない」
「………」忘れないで欲しい父の自分のことを、お前の母とたしかに愛し合い紡ぎ産まれてくる子であるお前を愛したことを。
ラディッツはその言葉に緊張しながらも、皇嵐にだけ聴こえる声で伝える。
「……"ラディ"、俺の名からあやかってだ。親のことを覚えていてもらうためにも、…俺がお前との愛の証たる子を愛したということの為にも」
「……あなたの名前にあやかって、ね。いいじゃない、それ」愛する為にも、と。皇嵐は優しく桃色の唇を動かして自分の頭を撫でてくる、小さい頃自分にしてくれたように。
そのなでかたにまどろまながら、ラディッツは皇嵐の額に額をくっつけて唇を当てる。そうこうやって、自分を受けいれてくることが嬉しくてたまらない。ほわほわと心が柔らかくなっていく。
「…ありがとう、皇嵐」
「私もよ、私たちの子供に名前をつけてくれてありがとうねラディッツ。…あら、動いたわ」ポコンっと確かに小突くような音が聞こえてきて、お腹が動いているようだ。ふるふると小さくお腹が脈打ちラディッツはもう一度!とお腹の中にいる子供に言う。
「もう1回!動いてくれないか??ラディ」
