比翼連理~第8章~

すっかりと大きくなったお腹……皇嵐はよしよしと撫でながら確かな鼓動を感じつつ、ゆっくりと過ごした。
直感で産まれてくる子供は女の子だろう、とぼんやり思う。産まれる前から運命なんぞわかるものではあるが折角だし、とみずに自分の直感で性別をおもったのだ。どんな子だろうか?ラディッツ似なのか、果は自分に似た子なのか……それともとある男のことを考えるがそこは別。
ラディッツは体調のことや自分のこともあり、少し長めの休みをカリーからもらっていた。
『フリーザたちには俺が話つけておくよ、別に今の時期は大した遠征もないからさ』安心してくれ!とカリーはにっこりと笑い、ラディッツに伝えていた。彼のそのあっけらかんとした笑顔にラディッツも安心を覚えて堂々と休めているのである。
今では皇嵐の代わりに朝の準備をしたり彼女が寒くならないようにとブランケットを渡したりとしているのだ。
「皇嵐」ソファに座りテレビを眺める皇嵐の為にとラディッツはノンカフェインのカフェオレをカップに入れて渡した。
皇嵐がありがとう、と受けとり彼女の微笑む顔を見て愛おしげに自分もつられて笑う。
「…あなたが、まさかやすみをとるなんて」
「好きな女との間に子供が生まれるのだぞ?、見るためにもお前が少しでも楽になる為にととるさ」
「ふふっ、もう父親の顔ね」
「……そう、か?」言われてみても分からない、愛おしい女との間に子供が出来たから。妊娠出産育児は大変と聞く為彼女のためにできる限りの事をしたいと、やっただけなのだから。
自分用のブラックコーヒーをカップにいれて彼女の隣へと座る。
「ええ、若いあなたがそんなにしてくれるなんてっておもうわよ」
「…妊娠出産育児と大変なのが続くのだぞ?、俺たちは初めてだらけだ。やれることはやりたいさ」
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