初めまして愛しき方~第5章~

あのとき想いに答えていたら、ともに宇宙の未来を見れたのだろう。
でも、答えなかった。恐かったから、自分は彼と違う、と割りきってしまっていたから。だってあの時の自分は今の身分のことを思うと彼と分けて別の世界で生きていかなくてはとかんがえていたのだ。たしかに私は彼に惚れていた、だけど……ふりはらってしまったのだ。
両手で顔を覆い涙を流す。もう遅いのだ、誰よりも輝いていて誰よりも優しく強い彼はいない…
彼は、己より己の先にいるものを思い


゛死んだのだから″、゛殺されたのだから″。
己より強い、と言って封印され死んだのだ。
殺したようなものだ…私が、彼を殺してしまったようなものだ。

「皇嵐」

「えっ…!?」いきなり
彼の声が聞こえてきた。彼がいるのだと淡い想いを抱いて後ろを振り向く。
そこにいたのは、彼ではなく…

「こんな廃墟で何をしている?。入ってはいけないとこだぜ?。」ラディッツだ。はっ、と皇嵐の顔を見て彼女が泣いていたことに気づき慌てて言う。
「なっ、なんで泣いているんだよ!。俺何かしたか!?。」皇嵐に近づき、スカートの裾を引っ張る。考え込みながら、辺りを見回してえっとと悩んだ。
「ただ目にごみが入っただけよ。生意気」目を手で擦りラディッツに軽く微笑み答える。ほんとそういうところはかれとちがうのだとおもいつつ。
「そうか…?。」
「…生意気は、今日から遠征なのよね?。」
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