初めまして愛しき方~第5章~

ねぇ、あなたはここにいたのでしょ…?。
死んでからずっと…、ひっそりと雲に隠れた月のように…。
別れを、またねと挨拶するために皇嵐はあの遺跡に足を運んでいた。
荒廃として、廃れているようになっているが皇嵐の目にはあの豪華絢爛な建物が写っている。彼が生きていた頃の、あの活き活きとしていた惑星ベジータが。下級も上級も関係なく仲良く生きていた惑星が。
確かに彼は゛魔王″の名に相応しい残酷極まりないことをしているそれは若い頃から。神すら殺さんとする勢いで。でも彼は、受け入れたものたちの前では暴君でも魔王でもなく゛皇帝″であった。いや、ただの゛戦士″だったかもしれない。
今の惑星ベジータの王を見ていて、民のためと思うところを見ていてフッと思い出した。カリグラのことを口にすると、ベジータ王は顔を青ざめ言ったのだ。


゛あれは残忍極まりない惑星ベジータで史上最悪の化け物だ″、゛記憶から誰もが消し去りたいと思っている″。
嗚呼、彼は今の民からはそんな酷く思われているのだ。力のない女戦士や下級のためにと配給の仕事や商売の作ったのは紛れもない彼ただ一人だったのに…。
どんなものでも上に行けると、訓練や昇格をしたのも彼だ。それなのに…でもこれが歴史だ、と彼なら笑って言うだろう。人の考えなんぞ好きにさせろ、と。
皇嵐は近くにあった彼がよく座っていた石座に座り空を見て呟いた。
「あなたは、何よりも皆を思っていたのね…」俺はお前を知って、愛情をしれたと言いながら。
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