比翼連理~第2章~

ラディッツは月鬼と違い、過去のことなんか思い出していないはず。なのに…藤の花に刺激されてなのか、彼に近しい言動をしてくる。
似合うと告げた彼の言葉はカリグラと違ったが、やはり終始ドキドキしてしまう。これも夫婦になったからであろうか?。
それとも…カリグラと縁の深い星に来たせいなのか、それは分からない。
「…どうせなら、お揃いでふたつ買いましょうよあなたは紫のにして」
「俺も?、皇嵐俺とお揃いにしたいのか??」だが今は彼との観光を楽しもう、せっかく夫婦になったのだから。
おそろい、と言われてご機嫌なラディッツに少ししゃがみなさいと言ってしゃがんでもらい耳に軽く紫のフジのイヤリングをかざした。
「…ええ、やはりあなたにも似合うわ」サラサラと揺れる青混じりの黒の髪には紫色の藤がとても良く似合う。
その大きいからだにひっそりとにじみ出る彼の王としての品性によくあっていた。
「買う!、お前とお揃いにする!!。任務の時以外つける!!!」
「ふふふっ!、あなたの好きな時にしなさいな」しっぽが大きなわんこのようにパタパタと揺れてなんと愛らしい事か。やはり身体は大きくなっても心はあの小さい頃から何も変わらない。
「買ってから早速つけるから!、お前もつけろよ!!。皇嵐!」
「はいはい、わかったわ」
「…ほんと年の差カップルは元気ですなぁ」
「僕は主様と皇嵐様が楽しそうでなにより嬉しいですよ!」気持ちよく流れる海風が二人の間をさわやかに通り過ぎて、人間と神の夫婦を密かに愛でてるようであった。
店から出たふたりの耳には色違いの藤のイヤリングがついておりゆらゆらと揺れて互いを絡み合わせ繋いでるようであった。
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