比翼連理~第2章~

「そしてその方が見たい時に見れるように、と呪(まじな)いを掛けられていつまでも綺麗にあるようにと色褪せない思い出としてあるようにと丁寧に育てられたものなのです。
まるで恋人たちが時を重ね、夫婦になるようにと円満な思い出作りのようでしょ」店員が嬉々として語る姿から、カリグラがこの星では絶対なる皇帝としてあったことがよくわかる。そして自分のことをどれだけ愛し、本気で向き合ってくれたかも。
彼のことだ色々と考えてこの花はここでも育てよう、となったのだ。色褪せない思い出として皇嵐への想いもふくめ。
「……馬鹿なのっ」あんなに頭も良く、サイヤ人の中でも誰よりも誇り高く強くあった男なのに。なんで、なんでそんなことをするのあなたのことを振った女なのに。
鮮烈に思い浮かべてしまう、彼が優しく微笑みながらこの花を愛でた姿を。あの純黒の髪をさらさらと、さらさらと揺らしてやったのだろう。
「この星ではずっとこの方の育てた藤の花からこうやって綺麗にとって保管してるのです、そして…観光の方にも愛でてもらい恋人同士やご家族そして夫婦の方に大事にしてもらい永遠の愛を紡いで欲しいと願ってるのです」
「……ねえラディッツ」ほんとに、本当に馬鹿な男。生きててもずっと私のことを見て、死後でも私に忘れて欲しくないとでも幸せであって欲しいと抱きしめるように包み込むようにあなたの痕をのこしていって。
「(貴方みたいな大うつけを忘れるわけないでしょ)」まっすぐとみてくるような男を。
「この花、あなたが私にくれたものと同じでしょ…?。帰り、買っていっていいかしら」
「藤の花をか?、良いぞ」ずっと、それならずっと私たちのことを見守っててちょうだい。
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