未だひとり

自分がいえば黒王は、言葉を聞いてくれたのだろうか…?。もし、もっと早くに言っておけばと感情が溢れる。そしたら皇嵐も苦しまずに済んだのかと。
先程まで揺るがない自負があったのに、ガイウスの言葉によって揺らいでしまっている。
「黒王、様……」貴方はもしかしたら、いや……認めたくないが王としての器はこれではカリグラの方がダントツに上だ。
『所詮は猿か…、あっさり死におって』おろか、なんと愚かとカリグラをあざけ笑った黒王。違う、違うのだあの男は全てをわかって死んだ──黒王が封印できたと笑い狂うことも。
油断させているのだ、カリグラは。下手すれば…
「あの男っ黒王様すら殺す気か…!?」出来るわけが無い、だがガイウスのあの笑いそして言葉…皇嵐にとって苦しめる存在となれば地獄へと舞い戻り仕留めるのではないかと思う。
黒王を殺せれるものはこの世界にはいない、全ての象徴親たる存在なのだから。どんだけきらおうとどんだけ避けようと、足に踏みつけ嘲り笑うような男なのだ。
黒王の機嫌を損ね、追放されサイヤ人を作り出した弟阿乱……今は生きているかは分からないがまさかその元からあんな化け物が生まれるとは。
皮肉な話だ、もしかしたら…カリグラという歪な運命の果てに生まれた存在によって全てが変えられるかもしれないのだから。
『…チェックメイトだ黒王』そういいあの男がなにか駒を置いた気がしてならなかった。
擂牙は軽く目を伏せ、その長い群青色の髪を揺らす。ゆらゆらと揺れ、それはカゲロウのように夜闇に溶け込む。
「……俺も、終わりかもしれないな…」もういつ話したかも覚えてない弟の顔を朧気に思い出してポツリと呟いた。
もし、黒王が消えることあれば…忠臣としてもいや皇嵐を間接的に苦しめた存在として自分も幕を下ろすべきかもしれない。
9/11ページ
スキ