ひとつの幸せ~第17章~

ラディッツは皇嵐に、皇嵐はラディッツに。互いの誓の鎖を、あととしてのこすように。
「生意気、こちらをむきなさいな」ん??、と皇嵐に嵌められた指輪を見ていると声をかけられ向くと彼女の柔らかいくちびるが自分に重なってきた。
それはお互いの愛の言葉を封じ込めるようで誓いの口づけそのものだ。
「皇嵐っ…!?」
「あなたが指輪をくれたのだから…、私からは誓いの口付けをしてもいいでしょ?」自分の反応に対してクスクスと笑ういたずらっ子のような彼女の笑みにラディッツはまたやられたと頬を赤く染める。
これでもかというほどに赤くなり、ラディッツはああ今かなりの高熱出てるなとおもう。
「俺もっ……したいっっ」仕返しだ、とばかりに皇嵐の後頭部をおさえてラディッツも負けじと重ねる。彼女のがとても甘い、先程まで飲んでいたフルーツのカクテルの味もしてきて普段酔わないのに彼女を通してとなるとくらくらしてくる。
「っふっぁ…」甘い吐息も彼女の唇も果実のようで甘く溶ける。何回も何回も重ねて愛してるという言葉、ずっとそばに居るという誓いを深く深く彼女の中に溶け込むようにと閉じ込めた。
「愛している…皇嵐」
「私もよ……ずっと、ずっーといるわラディッツ」甘く酔えるような薔薇の棘のような鎖がまとわりつくように抱きしめあった。
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