ひとつの幸せ~第17章~

「皇嵐…



俺と共にこれからを生きて欲しいっ、頼りないかもしれんがこれからも俺は皇嵐と共に生きていきたい。…結婚、してくれないか?」声が震える彼女からなんと来るか分からない、と思いつつゆっくり開きカリーのとこで作った指輪をだす。キラキラと部屋の照明に当てられ指輪にはめられた宝石は輝く。
「………っ」皇嵐はその宝石をよく知っている、古代の歴史から積み重ねられ研磨されてきた石。そして……カリグラが星を支えるために、と使用してきたものだ。
『これをアクセサリーにしても美しいだろうな』そう言い、彼が…イヤリングや首飾りそして指輪などに使っていたもの。
お前にも、とイヤリングをつけてきた日のことを思い出す。だが彼とラディッツを見比べるとなんと違うことか、ラディッツの表情はあの幼い頃のようになり不安そう。カリグラは、確かに自分に拒否されないかと言う心配などもあったがやはり自信ありげで己のことをわかっているような接し方をしてきていた。
ああ、なんと違うことか……でもなんと二人揃って自分に愛情深いことか。
「……私で、いいの…?」あなたよりはるかに年上、しかも人間では無い存在。なんなら…己の想いと縛りから愛しい人を失うことにもなった。
失い、初めて気づいたという経験までした。そうならない為にとラディッツと付き合ってきたが……彼にはまだ綺麗な未来もあるはずだ。フリーザ軍でどうにか働き、どこかの星の女性と付き合うことも出来るはず。
でもなんと身勝手なことか、そんな言葉を思いながらも己は今…彼を失いたくないそばにいたいとおもってしまっている。神が人間になってしまうように。
「当たり前だっ!、俺はっむしろ皇嵐としか考えられないっ」
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