なんでもこの男、自分を蘇生させてここのラディッツを助けようとしているらしいがラディッツの中にいる己よりは躊躇いなどもなく動くぞと話していたのだ。
そこの自分のは？、といえばお互い目的が同じであり止める理由もないだろと話している。
「…てめえには躊躇い、気遣いというのがないのかね」
『若造のおまえにはな、若い頃の自分を思い出させて気味が悪いが』
「女の為に、とやる理由はわかる。だがこうやって人の空間だからって話しかけんじゃねえ！」
『暇だからいいだろ、俺も眠りから起こされたのだからなきさまのせいで』
「てめえのせいだろうがっ！」そうだ、死んでみてわかった。閻魔などから言われて、やつらは自分のことを魔王の器たる己がラディッツより厄介だということで殺そうとしてきたのだ。
消すとは行かなくても魔王の魂を削る為にと、だがこの男はそれを誤魔化したのだ。実際に月鬼を死なせて、その隙に奴らが油断した瞬間に回収して生き返らせたのだ。
『いやはや舐めないで欲しいものだ、この俺が？器の死くらいで削られると思うか』
「かけてえものなのだろ、……実際てめえは削られも何もせず寧ろつよくなってるじゃねえか」
『戻った、が正解だな』何だこのおしゃべりじじい、嗚呼今すぐチェンジしてもらいたい。ラディッツの中のカリグラと、あちらは皇嵐と近いせいが大人しい。ぶっ飛んではいるし、さぞかし人外ではあろうがラディッツや皇嵐のことを気遣ってか黙りとしている。
事実、黒王たちの動きとしてもそちらの方がいい。彼らはやはり潰そうと動いてはいるのだから。
透視で見る限り、カリグラの親友であり今は魔族のガイウスによって誤魔化されているだけだ。